料理の語源を知るのに便利な一冊

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日本料理語源集という辞書があります。日本料理の内容や語源だけでなく、レシピ集としても使える内容です。料理の語源を知っていると、料理に対する考えも深まりますよ。

日本料理語源集

日本料理語源集 中村幸平 著

中村幸平先生は、中部地区の料理研究家です。昭和62年に91歳で他界されるまで、愛知県半田市に古扇楼という料亭を経営、中部地区の料理講師などもされました。

内容は

生涯に書き残し置かれた日本料理に関わる事柄の中から、とくに語源の探求を中心に、歴史上の説話、伝承、慣習その他文学、詩歌、俳句、美術、芸能、工芸の諸般にわたり、その出店からの関連と確証を収録した食味文化史とも言える内容

とあります。

煮込みうどんの語源

たとえば、中村先生は愛知県の人なので「にこみうどん(煮込み饂飩)」の項目では

名古屋地方の名物。味噌仕立てと、清汁との 二種があります。味噌は名古屋味噌と白味噌とを混ぜた味の二種があり、好み好みで選んで食べます。土鍋に汁を入れ、生うどんを入れてその上に、ねぎ、油揚 げの細切を入れて煮たもの。好みにより鶏肉や卵を入れますが、あまり具を入れないのが美味しい。寒い時にはなかなかよい食物です。

中村幸平の個人的な感想まで入っていて、読み物としても楽しいです。具を入れると豪華な味噌煮込みになるのですが、暖かさや味噌、うどんの風味を味わうには、具は多くないほうが良いのかもしれませんね。

煮魚の作り方

分量も書かれているので、レシピ本としても使えます。煮魚で調べると

魚70gを五切れ、その他うど、竹の子などのあしらいとともに煮る場合、味醂大匙三杯、酒大匙五杯、水又は煮出し汁大匙八杯、醤油大匙八杯、砂糖大匙四杯半くらいを鍋に入れて火に架け、沸騰したところに材料を入れ落し蓋をして煮上げます。

とあります。全て大匙で計量できるのがいいですね。魚を5切れも煮ない、という方は半量を作ってもいいですし、全量作って取っておいて、次回の煮魚に使ってもいいですね。

ちなみに「あしらい」も続けて調べると

主材に添えて盛り合わせるもの。

とあります。

日本料理語源集を読んでいくと、聞いたことの無いような単語も出てきます。料理に関する知識を増やしたり、深みを増すのに役立ちそうです。

gnav_cat 日本料理語源集 中村幸平 著

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