日本料理にまったく通じていない私が稲沢の「㐂想庵(きそうあん)」に行ってきた
愛知県稲沢市にある「㐂想庵」という日本料理のお店に行ってきました。特に美食家でもない私ですが、料理の一品一品に手間がかかり、随所にこだわりを感じるお店でした。
稲沢市にある日本料理店
ある日、父が「法事に使う店の下見をしに、自転車で出かけるぞ」と言い出しました。
自転車で30分程度の距離だと言いますが、私は近年ろくに自転車も乗っていないし運動もしていないし・・・はっきり言ってすごく気分が乗りません!むしろたどり着けるか不安しか感じないのですが、法事と言われては断ることもできません・・・
気乗りしないまま当日を迎えました。幸いにも風もなく、天気にも恵まれたので、それなりに元気に辿り着くことができました。
・・・が。
「あの店だよ」って、あれ??こんな場所??周囲がとても田んぼです。
御料理 㐂想庵(きそうあん)
自転車を30分ほど漕いで、辿り着いたのは「㐂想庵(きそうあん)」というお店です。
お店の公式サイトでは「㐂想庵」という表記ですが、食べログなどだと「喜想菴」という漢字が使われています。何でだろ?
1階建てのこじんまりした外観です。囲いや庭などはありませんが、『日本料理屋さん』という雰囲気はあります。外には看板やメニュー等は出ておらず、初見だと入りにくいお店だと思います。
案内された個室に入ると『政治家や会社のお偉いさんとかが会合をする部屋』とか、勝手なことを思っていました。
えぇ、ワタクシ、こういうきっちりした雰囲気の日本料理のお店に行ったことがないので・・・慣れない雰囲気に落ち着けないのデス・・・
慣れない雰囲気に落ち着けないとは思いつつも、案内されたのはこじんまりした広さの個室なので徐々に落ち着けました。
一品一品にこだわりを感じる料理
私は日本料理にまったく通じておりません。特別美食家でもありませんが、おいしいものは大好きだよ。父が美食家なので、おいしいものはそれなりに理解できるつもりです。
とは言っても慣れない日本料理。食べるのに必死で、全部の料理を撮影できていませんが、覚えている範囲で今回いただいたものを書き出してみますと・・・
白湯
きちんとした日本料理の店に行ったことがないもので、最初に白湯が出てきたことに素直に驚きました。
「口を潤すため」と父に言われました。
あられが浮いているのは、「本当に白湯だと見た目が悪いから」と父に言われたけど、あられの味しかしなくなっちゃうと思うのは私だけだろうか。
食前酒
かりんのお酒でした。
かりんはご主人が漬けたものだそうです。
私はお酒をほとんど飲まないのですが、この食前酒は甘くて飲みやすかったです。甘いけど、ぺったり甘いわけではなく、食前酒らしいさっぱり感がありました。
先付
日本料理の出てくる料理の順番を調べながら書いているのだけど、これが「先付」というものに当たるのかはよくわかっていませんf(^^;;
ポルチーニ茸の豆腐・・・がどうこうという説明を聞きました。胡麻豆腐のポルチーニ茸バージョンという感じでしょうか?(謎)
サーモンやしめじなどもあります。
最初「はぁ・・・日本料理でポルチーニ茸・・・」と思ったのですが、ポルチーニ茸の味がしっかり感じられておいしかったです。ポルチーニ茸、きちんと食べたことないけど!
素材の味がしっかり感じられました。
椀物
湯気で画像が白っぽく・・・
甘鯛と栗きんとん風に仕立てたしんじょ。だったと思います。
父、大絶賛!このダシだけで酒が飲める、と喜んでいました。
私はユズが苦手です。この椀物にはユズの皮が乗っているし、間違いなくユズの香りがするのだけど・・・ユズの味が主張しすぎないんです。味のアクセントというくらいにしか感じませんでした。
父は元々甘鯛が好きらしく、先日は甘鯛の一夜干しを食べたところでした。こちらの椀物の甘鯛にも満足していました。
私も甘鯛もおいしく食べましたが、栗好きとしてしんじょが気になります。甘みもありますが、おだしと合った控えめな味わいだと思いました。
向付
懐石料理で出てくる刺し身のことは「向付」というのですね。普段食べないものを食べると、勉強になりますなぁ。
ヒラメの薄造り。
薄造り自体もほとんど食べたことがないので、うれしかったのですが
醤油だけでなく、梅、うにひしお?の3種類出てきたのも楽しかったです。
それぞれ違う味で、お刺身の味のバリエーションが楽しめました。
何かすごいの出てきた・・・!
父としみじみと「おいしいねぇ」と楽しんでいたら、すごいのが出てきました。
秋です!秋が来ました!
私は正直なところ、この手の派手な盛り付けは苦手です。確かに華やかですけど、何だかこっ恥ずかしくなるのです・・・
見てください、茅葺き屋根の家(陶器)ですよ!
中は柿なますでした。
あまりの派手な盛り付けに度肝を抜かれてしまいましたが、サツマイモやれんこんの揚げものや、八方だしのおひたし。その他、酒のつまみに合いそうな諸々が乗っています。
私はお酒をほとんど飲まない、飲めないので、「酒のツマミ」というものの美味しさがわかりません。珍味とか、苦手です。
なので『わぁ〜、私の苦手そうなものがちょこちょこ乗ってるよー』と思っていたのですが・・・食べてみるとどれもおいしい。ホンの一口量しかないような料理のひとつひとつから、それぞれ異なる味わいが感じられるのです。
茅葺き屋根の中にあった柿なますですが・・・えぇ、ワタクシ、柿なますも苦手ですの。イヤな気分にならずに食べられます。それどころかおいしいです。
柿なますって酸っぱいイメージが強いのですが、まったく酢を感じません。
柚子などの柑橘類を味付けにした料理も苦手なので、柿なますの下に写り込んでいるかぼす?の料理も不安を感じながら食べたのですが・・・イケる。
苦手なものをイヤな気分になるどころか、おいしく感じられるってすごくない?!
秋を演出した盛り付けに度肝を抜かれたけど、料理のひとつひとつの美味しさを痛感しました。
ところで、これが「八寸」というものに当たるのかな?日本料理の説明を読んだら、これっぽいなと思うけど・・・本当に見た目の派手さの印象が強すぎました。
焼き物
ここから写真を撮り忘れたりしています。
焼き物はサワラでした。家庭では真似できない焼き加減で、あまり魚好きではない私もペロリといけました!
ちなみに、焼き物を持ってきてくださったとき、またも「秋」な演出になっていました。二度目だから流石にそんなには驚かなかったぞ!(でも静かに驚いてたことは否定できない)
蕎麦
突然のお蕎麦です。
一般的な懐石料理にはないと思うのですが、こちらのお店ではお蕎麦も人気だそうで。
こんなにおいしい蕎麦、初めて食べた・・・!食感もよく、おだしもおいしいです。
うん、これはもっと食べたくなる!!ということで、蕎麦が堪能できる蕎麦会席もあるそうです。機会があったら食してみたいです。
ごはん
父も私も少食な方です。予約をする際に「少なめで」とお願いしてあったそうですが、そろそろお腹がピークです。
そのタイミングでご飯がやってきます。会席料理って結構、かなり、量多いよね・・・
お茶漬けです。
って、これがお茶漬けの画像なのか自信がないぞ・・・。
とにかく、ごはんものとしてはお茶漬けでした!
おだしも効いて、「もう満腹!」と思いながらも食べれてしまうのが、お茶漬けの恐ろしいところですよね・・・(完食しました)
ご飯と一緒に自家製のお漬物もいただきました。
デザート
日本料理だと「水菓子」っていうんですよね。
でもこれはどう見ても・・・
デザートです。立派なデザートが出てきました!
紅茶のプリンと、羊羹(?)。
紅茶のプリンがね、おいしかったの。茶葉はアールグレイかな?風味が高いです。
プリン自体の甘さはかなり低めで、トッピングになっている飴やフルーツで甘みを感じるようになっています。
まさか日本料理屋にて、こんな洋風のデザートが出てくるとは思わなかった・・・しかもかなりおいしい。ビックリです。
父は羊羹を気に入っていました。
全体の感想
きっちりした日本料理に馴染みのない私ですが、かなり満足させられました。
父が「あんまり値段のことを言うのもよくないけど」と前置きしながら言っていましたが、値段の割に相当クオリティの高い料理が楽しめると思います。
全体的に味は薄めなので、地元の人にウケる味とは違うかと思います。でもあの場所で、これだけのお料理をいただけるとは・・・正直驚きでした。
我が家から自転車移動で乗り気でないまま行きましたが、また行きたいと素直に思いました!
★この記事の評価★
★★★☆☆