圧力鍋の選び方
圧力鍋があると料理の幅が広がります。でも今まで圧力鍋を使ったことがないと、どんな圧力鍋を選べばいいのか悩みます。圧力鍋を選ぶときのポイントをまとめてみました。
圧力鍋を選ぶポイント
圧力鍋を購入する時、一番重要なのは
- 何の料理に使うか
です。それによって
- 大きさ
- 素材
- 取っ手は片手か両手か
という優先順位をつけて、購入する圧力鍋を選んでいくといいと思います。
圧力鍋で作れる料理は何がある?
圧力鍋を選ぶ時、一番最初に考えるのが「圧力鍋でどんな料理を作るのか」です。
圧力鍋レシピの代表といえば煮込み料理ですが、ご飯を炊くこともできます。お正月のおせち料理として、黒豆や栗の甘露煮も短時間で作れます。
圧力鍋を毎日使うのか、シーズン限定での利用なのか。メイン料理を作るのか、副菜づくりに活用したいのかによって、圧力鍋のサイズや素材選びが変わってきます。
圧力鍋の大きさ
圧力鍋は
- 密閉のための機構がついて蓋が大きい
- 圧力をかけるために鍋いっぱいまで調理素材を入れられない
ことから「どのサイズが良いのか?」と悩みますね。サイズが大きいと収納場所に困るというのが一番大きいと思います。
圧力鍋に限りませんが、同じ製品でもサイズが大きくなると基本的に値段が高くなります。高価な調理器具だから買い物で失敗したくない!という気持ちもあります。
圧力鍋のサイズの目安
圧力鍋のサイズはL(リットル)で表示されます。正直いってピンときません。
圧力鍋の大きさ選びは
家族の人数+1L=圧力鍋のサイズ
がひとつの目安です。
そのうえで、家族構成と作る料理で圧力鍋のサイズを選びます。
- 家族の人数
- 大人だけか子どももいるのか?
- メイン料理をたくさん作るのか、副菜づくりに使うのか
「圧力鍋で作る料理は副菜のみ」「お正月のおせちだけ」と決まっているなら、小さめサイズでもかまいませんし、中学生・高校生の男子がいるご家庭では大きめサイズが安心かもしれませんね。
シンク・キッチンのサイズにも注意
圧力鍋は普通の鍋に比べると、鍋自体が大きく、蓋も大きいと感じられます。そのためシンクでの洗い物と、キッチンで乾かす場所、収納スペースも、圧力鍋のサイズ選びに関わってきます。
キッチン用品は、洗うのが面倒になると使わなくなるものです。 圧力鍋を活用したいのなら、必要以上に大きなサイズは避けた方が良いと思います。
圧力鍋のサイズ選びは
- 家族人数+1リットル
- 作る料理
- シンク・キッチンのスペース
の順で商品を絞り込むと探しやすいと思います。
圧力鍋の素材と価格
圧力鍋によく使われる素材は
- アルミ
- ステンレス
- アルミとステンレスの多層式
があります。
アルミの圧力鍋
アルミの圧力鍋は軽いのが特徴です。
圧力鍋は蓋の密閉機構で大きく・重くなりがちなので「洗うのが面倒」という意見もあります。しかしアルミ圧力鍋なら、鍋の素材自体が軽いので「めんどくさい感」は軽減します。
熱伝導が良いのもアルミ鍋の特徴。そのため「時短調理」という圧力鍋のメリットを十分発揮できます。
酸・アルカリに弱いので、手羽元の酢醤油煮込みなどは、鍋の黒ずみの原因になるので注意が必要です。
時短ができるので、スピード重視の調理をしたい方にオススメです。
パール金属 パールプラス アルミ圧力鍋3.7L(5合炊) H-5117
パール金属の圧力鍋は、ホームセンター等でも取り扱いがあるメジャーなアイテムです。値段も手頃で、初心者でも購入しやすいのが魅力ですね。
メーカー公式HPでは圧力鍋のパーツの通販もしています。圧力鍋はパッキンなどの消耗品も多くあるので、「必要な時にすぐにパーツが買えること」というのも圧力鍋選びのポイントになります。
ステンレスの圧力鍋
ステンレス圧力鍋の特徴は、煮込み料理に向いていることです。
ステンレスは熱の伝わりが悪いので、焦げ付きやすいのが欠点と言われます。しかし加熱後にゆっくりと冷めていくのはメリットでもあります。
圧力鍋の特製を生かせば、火に掛ける時間は短くても鍋全体を毛布や新聞紙で包んでおけば長時間じっくり加熱することができます。おでんや牛スジの煮込みなどに、ぜひ活用してみたいですよね。
煮込みには適していますが、熱の伝わりが悪いのもステンレス圧力鍋の特徴。火を付けてからシューシューと圧力がかかるまでの時間は、アルミ圧力鍋に比べると長くなります。
ステンレス圧力鍋はピカピカとした美しさがあります。そのためキッチン用品は「かっこ良さ」「ビジュアル重視」という方に人気があります。キッチンの見せる収納にも使えますし、食卓のテーブルへ鍋ごと出して、楽しい食事の演出にも使えます。
圧力鍋について調べると「フィスラー」の名前をよく見かけます。フィスラーはドイツの高級キッチンウェアとして有名です。
- 音が静か
- 蒸気が出ない
- 付属パーツが少ない
などが人気のポイントです。パーツが少ないので、フタが洗いやすいそうですよ。
多層式の圧力鍋
アルミとステンレスを合わせた多層鍋の圧力鍋は、ステンレスとアルミ、両方の特製を併せ持ちます。
ステンレス鍋は熱の伝わりが悪いのですが、そこを熱伝導の良いアルミが補います。
アルミ鍋は鍋厚が薄っぺらい印象ですが、ステンレスの重厚感と輝きが、圧力鍋の上質感を高めます。
重さはステンレス鍋と同等なので、アルミ鍋に比べると重たいです。
メリットだらけに思える多層式圧力鍋ですが、多層式圧力鍋の一般的な価格はアルミ、ステンレスの圧力鍋に比べると高いです。圧力鍋をフル活用したい人や予算に余裕がある方にオススメです。
鍋底を三層にすることで、鍋全体に熱が均等に伝わる構造になっています。
こちらの圧力鍋はガスコンロ、IH、ラジェントヒーター、ハロゲンヒーターと熱源が幅広く対応しています。
素材による圧力鍋の価格
圧力鍋は一般的に
- 多層式
- ステンレス
- アルミ
の順で値段が高いです。
しかし一概に多層式がいいとも言えないので、使用目的にあった圧力鍋を選ぶことが大切になりそうですね。
圧力鍋は両手鍋の方が便利?
圧力鍋には片手鍋と両手鍋のデザインの両方があります。見た目だけの問題かと思いましたが、「重さ」と「鍋を置いた時のスペース」によって選び分けるそうです。
ネットでのクチコミでは、両手鍋の方が人気のようです。
圧力鍋は重い
圧力鍋は軽めと言われるアルミ製のものでも結構重量があります。そこに料理の重さも加わると、結構重たい・・・
- 圧力鍋で少量の料理をすることは少ない
- 煮込み料理(=水が入って重たい)に使うことが多い
そのため鍋ごと移動させる時は両手でしっかり鍋を持ちたいですね。片手鍋よりも両手鍋の方が安定して持ち運びができます。
収納スペース
片手鍋は収納場所を広く使います。片手鍋の持ち手は、鍋の直径と同じくらい柄の長さがありますよね。 キッチンの収納スペースが十分にあればいいのですが、「圧力鍋を置く場所」を新設するのが難しい場合もありますよね。
加えて前述の「重い」という条件が加わって「圧力鍋は両手鍋が良い」と言われるようです。
鍋ごとテーブルに置きやすい
鍋ごとテーブルに置くと、テーブルに華やかさが増します。その場合は両手鍋がオススメです。
柄が長いと、うっかり引っ掛けて事故を招く可能性があるからです。両手鍋なら食器とのテーブルコーディネートもまとまりやすいです。
ティファールの圧力鍋はいくつかのラインナップがありますが、ほとんどが両手鍋です。両手鍋の圧力鍋を探すなら、ティファールから探してもいいかもしれませんね。
かぶせ蓋式か、落し蓋式か
圧力鍋のフタにはかぶせ蓋式と落とし蓋式があります。
かぶせ蓋式
かぶせ蓋式は、フタの内側にパッキンが付いていて、鍋本体にフタをかぶせて押さえる構造です。
片手の圧力鍋の場合は、スライド式の商品が多いですね。
落し蓋式
落し蓋式の圧力鍋は、鍋の中にフタを落としこんで、鍋の中からフタを持ち上げます。パッキンは鍋の縁の内側についています。
実際どちらがいいのか?
かぶせ蓋式、落し蓋式とありますが、安全を考慮して製造してあるのでどちらを選んでも問題なく使えます。
ここからは私の経験ですが、落とし蓋式の圧力鍋の方が、長期間安定して料理ができる気がします。
圧力鍋は鍋の内側から圧力がかかります。
かぶせ蓋式だと、パッキンで密閉性を高めていても、フタが浮いて圧力が抜けるような感じがします。カスタマーセンターへ問い合わせて、圧力がかかっているかテストをしましたが、原因ははっきりしませんでした。パッキンの劣化を疑って何度も交換しましたが、なんとなく圧力がかかりきらない感じは解消しませんでした。
落し蓋式の圧力鍋なら、鍋の中から圧力がかかって、蓋が鍋本体の縁に押さえつけられます。
どちらもパッキンが付いて密閉できるしくみですが、人間が作った機構でフタを押さえつけるかぶせ蓋式より、圧力による自然な力で蓋が閉まる落し蓋式の方が、密閉性が高いような気がします。
先日圧力鍋を買い換えた時は、落としフタ式の物を選びました。
- 落としフタ式
- 両手鍋
- ステンレスとアルミニウムの多層のなべ底
私の欲しい機能が揃っていた上、届いてみたら写真以上にデザインが良かったので、大変満足しています。
圧力鍋のフタの形式がどんなかたちでも、きちんと圧力がかかるように、また危険なほど圧力が高まらないように、装置が作られています。
しかし長期間使い続けていたり、久しぶりに使う時は安全のチェックが必要です。装置の不具合やパッキンの劣化がないか、確認しましょう。
初心者は安い圧力鍋でもOK?
圧力鍋の価格は、商品によって数千円〜数万円と幅があります。
そのため「初心者は安いものでいいですよ」というクチコミもあります。
「圧力鍋を実際に活用できるか、試してみたい」「とにかく価格が安ければ良 い」「1台試しに使ってみて、その経験から2台目を探したい」という理由があれば、価格が安くて買いやすいアルミ圧力鍋が良いでしょう。
「おせちの黒豆だけ煮たい」など使用シーズンが限定している場合も、価格が安ければ圧力鍋を導入しやすいですね。
もし「圧力鍋をフル活用したい」「毎日ご飯を炊きたい」「良い品質のキッチングッズを使いたい」なら、多層式圧力鍋がオススメです。価格が高くとデザインも良くなる傾向にあり、おしゃれなキッチンでお料理する楽しみも増えます。
圧力鍋のパーツは買える
一般的なお鍋は、壊れるとしても取っ手が外れる、蓋の持ち手が取れる・・・くらいかと思います。あまり「パーツ」というイメージはないですよね。
しかし圧力鍋は一般的な鍋と違って、いろんなパーツがあります。amazonでチラッと見てみただけでも、シリコンゴムキャップ、パッキン、バルブなどがあります。
小さいパーツから大きめのパーツまでありますが、これらのパーツは紛失や劣化の可能性があります。丁寧に使っていても、ゴム系の素材はどうしても劣化してしまいます。
圧力鍋のパーツは購入することができます!メーカーのサイトやamazon、大きめの店舗ならホームセンター等でも購入できそうです。
圧力鍋を選ぶ時は、パーツの追加注文ができるかどうかも重要なポイントになります。
圧力鍋で作れる料理
圧力鍋レシピの代表といえば、やっぱり煮込み料理!普通のお鍋なら何時間も煮込む料理が、分単位で作れます。
カレー、シチュー、おでん、大根の煮物、牛スジの煮込みなど「家族は喜ぶけど、仕込みと調理に時間がかかる料理」が「沸騰してから○分」で作れるのはやっぱり一番の魅力です。
ブロック肉の調理も簡単
大きなブロックのかたまり肉の料理って、見るだけでテンション上がりますよね。でも家庭で作るのは難しそう・・・という悩みも、圧力鍋が解決してくれます!
骨付き肉やブロック肉の料理も短時間で作れます。調理時間が短いと気持ちが楽になり「さて、作らなくちゃ…」と気合を入れずに、気軽に作れるようになりますよ。
大きなお肉は、特に男性や食べ盛りの子どもが喜んでくれますが、見た目が豪華なので女性だってうれしいです。ホームパーティーでも盛り上がります。
ブロック肉を使ったレシピは、鍋に素材と調味料を入れて煮るだけだったりするので、実は「手軽で豪華に見える」便利料理だったりします。
お肉も簡単に調理できるけど、圧力鍋は魚料理にもオススメ。魚は骨まで食べられるほど柔らかくすることができ、カルシウム摂取に役立ちます。骨付き肉の料理はコラーゲンが摂れるし、圧力鍋を使って調理すると美容・健康にも効果がありそうですね。
圧力鍋でご飯を炊こう
圧力鍋でオススメしたいのは、ご飯です。
圧力鍋でご飯を炊くなんてちょっと意外な気がするかもしれませんが、短時間・火加減なしでとってもおいしく炊けます。私の感覚では、電気炊飯器の何倍もおいしいです。
お米の炊き方は、鍋がシューシューいってから5分程度、弱火にかけます。火加減は不要です。時短・かんたん・おいしい・洗い物がラクなので、圧力鍋でご飯を炊くようになってから、ご飯を炊く手間が軽減しました。
白米も玄米ご飯も、圧力鍋で炊くことができます。玄米ご飯はマクロビオティックに興味のある人だけでなく、健康になりたい、ビタミンを摂るようにしたいという方にも役立ちます。
圧力鍋で蒸し物
意外と便利なのが、圧力鍋での蒸し物です。さつまい芋やじゃがいもを蒸すと、短時間でおいしく蒸しあがります。茶碗蒸しも加圧後の「蒸らし時間」を 利用して、スを入れずに作れます。
我が家はキャベツを一玉買ったら、半分は蒸して保存しています。このキャベツも火を付けて5分とかからずに蒸しあがります。
圧力鍋で電気代の節約
圧力鍋は調理時間の短縮になるので、省エネ、節約にも効果があります。
電気炊飯器から圧力鍋のご飯に変えたところ、電気代が2,000円〜3,000円も安くなったという方もいます。これだけ電気代が節約できるのなら、価格が高い圧力鍋でも1年程度でペイできそうですね。
★この記事の評価★
★★★☆☆